※十二国○パロです。その意味があるのか微妙です。
※前の逆にしてみました。ルルーシュが主でスザクが麒麟です。
※深く考えないで読みぶっ飛ばしてください。(…)
※お茶で濁されたR16です。ぬるさ120%ですお気を付けを。




がら空きの後宮の一室でルルーシュは寝台に横たわっていた。背中に触れる柔らかな布地の感触や顔に掛かる髪の感触に現実の意識を繋ぎ止めながら、必死で状況を整理する。ともすれば歯止めが効かなくなる無秩序な思考の波に翻弄されるのを耐えながら、ただただ状況を整理する。けれど分かったことは、自分の上にスザクが覆い被さっていること。たったそれだけ。

「ルルーシュ、知ってた?麒麟にも発情期があるんだよ。」

その言葉を何故こんな状況でこんなに子供っぽい微笑みで言うのだろうか、スザクは。呆然としながら薄暗い視界の中で光るようにはっきりと輪郭線を保った緑の瞳に、ルルーシュは正気を失いそうになる。駄目だ、何か言わなければ。

「それが…どうした。」

喉が渇くのを感じながら、頭を整理して呟いた言葉はやはり張り付き裏返っていた。焦燥ばかり駆け巡りどうしようもなく言葉が出ない。何か意味のある言葉を、と考えてもどうにもならない自分をルルーシュは自覚せざるを得ない。ただスザクの言葉を何度も反芻するしか能がなかった。麒麟にも発情期がある。生物なのだから、当然なのだろう。霊獣であれ男性、女性の型をとっているのであれば当然のように其処に意味が存在する。機能があるのだ。木から生まれるのに何故そんな機能があるのか、神の考えることは理解不能だが今はそういう問題ではない。生殖機能。子供が生まれるかどうかは別にして生理的な現象がある。そして発情期。発情期と言えばそれは性的欲求が高まる期間ということで、だから子供が生まれないのに何で高まる必要があるのか!?は右においといて兎にも角にもスザクは発情期と言うことだ。間接的に、性的欲求が高まっているのだと訴えかけられている。俺に訴えている。人間である以上発情期がないからその苦しみはいかんともし難いが、と、あぁ!だから何で俺は今スザクに組み敷かれているんだ!!?

「したい。ルルーシュ、させて?」

わぁ、直球。って軽く感激している場合ではない。ついでに現実逃避している場合ではない。つまりそういう事か性的欲求が高まってどうしようもないから解消したいと。それも一人ではどうしようもないから相手がいる、と。そしてさせて?と言うことはつまるところ、何だ俺と…?

「スザク…?」

「ねぇさせて。凄く苦しいんだ。我慢できない。」

熱っぽい声で囁く。よく見れば瞳も心なしか潤みいつもにはない熱を持っている。こんなスザク初めて見たよ、と頭は妙に冴え渡ってきた。そうか、もう逃れようがないな。他に想像の余地がない。そうか、俺としたいのか、俺と…・そうかそうか・・・・・・・・・・・・・・・・

何で俺!!?

「ルルーシュ…。」

人の腰を砕くような声で囁くな。耳に息を吹きかけるな。だから。人の上にのるんじゃない!と言えたらどんなにいいか。相変わらず喉の機能は不整の一途。声が出ません。そうこうしている内にスザクはルルーシュの体に自分の腕を絡ませ、その細い体を大事そうに抱きかかえる。腰を擦り寄せられれば、高まった熱が布越しに感じられてルルーシュは思わず声を漏らしてしまう。焦って口を防げば頭上に満足げに微笑むスザクがいた。この微笑みは…洒落にならない。スザクは本気だ。本気と書いてマジだ。

「スザク!こら!の」

「ねぇルルーシュ。抱かせてよ。ここに僕の、入れさせて?」

命令されれば聞くしかないからか、ルルーシュの言葉にスザクは被せるように言葉を紡ぐ。そうしたら熱が収まるから、と言われてはい、と肯けるはずがない。右手が後孔に伸ばされ、解くように指でなぞられると同時に尚一層腰の圧迫が強くなる。前後に感じる熱の刺激に体がひくり、と反応した。押し当てられたスザクのものに、自分のものが重なり擦るように腰を上げられれば嬌声さえ上がる。いつの間にか脚の間に体を割り入られていて、スザクの為すがままに甘い声を上げる自身が入ることにルルーシュは焦燥を強くする。このままでは流される。自分が押しに弱いことは幾分か承知しているのだ。何か解決策、解決策を。

「スザク、俺みたいに男じゃなくて、どうせなら女を。」

「僕、麒麟だよ?」

くすっと楽しそうに笑い声を溢しながらスザクはルルーシュの首筋に顔を擦り寄せる。ルルーシュは何がおもしろいんだ、と突っ込みたいが首筋に感じるスザクの体温がくすぐったくて身を捩るしかない。スザクは麒麟だ。王に次ぐ地位の持ち主にそうそう簡単に相手の女がいるはずはない。しかも人間ではなく霊獣なのだから、いや見た目は人間だから実際に抵抗は少ないかも知れない。しかしそこらの女を宛がいました、となると国の醜聞になる事間違いなし。宮殿に使えている女官なら割と身分も高いし、しっかり口止めできるから大丈夫か。王の権限で用意させ、ようにもここは必要最低限しか女中置いてないんだよな。見知った顔にスザクと寝てくれなんて言えるか俺?無理。無理だ。こんな時に徹底的に経費削減した自分を呪いたくなるなんて思っても見なかったぞ俺。つまりしっかり口止めできて尚かつ醜聞になりそうにない高貴な相手が王しかいないんだな。って王は俺だよ。駄目だ埒があかない。あぁそんな事考えているうちにスザクが俺を脱がしに掛かっている。お前手際良いな、俺以外としたことあるんじゃないか?(じゃあ自分で他に相手見つけてこい、と言いたい)

「スザク。無理だ。」

どうにかこうにか絞り出した一言がこれだけ。するとスザクは俺から体を離してきょとんとした眼差しで見下ろしてきた。前はすっかりはだけさせられ、視界の端に見える胸元は舐められたせいで厭らしく光を反射する。紅く上気する肌を抑え込みながらルルーシュはじっとスザクを見上げた。逸らしたら負けそうな気がして、眼光だけで必死に抵抗する。一言やめろ、と言えばいいのに口を開いたら最後何か接吻されて強引にやられそうな気がする。なんていうかこんな予想立てるの嫌だな…、本当に俺は何でこんな目に。暫し見つめ合っていたが、また何の前触れもなくスザクは首を傾けて微笑む。その微笑みをすると見た目よりずっと幼く見えた。見た目なら自分よりずっと可愛らしい相手は至極幸せそうな笑みのままさらりと言い放った。


「ルルーシュ。大好き。」


答えになってない、という言葉は吐息ごとスザクに飲み込まれた。









残念ながら神様不在