※十二国○パロです。
※スザクが主でルルーシュが従です。
※お約束です。




放課後の教室で運命の道はついに重なった。スザクは黄昏れる空を右手にただ呆然と足下を見下ろしていた。もはや日は沈み夜を迎えるばかりとなった時間、黒が段々と陰を作る中でスザクはその人の姿を鮮やかに捕らえていた。薄い紫に濃い紫の衣を重ね合わせ、そこに光沢美しい黒の袴に似た衣を纏っている。腰には鮮やかな赤が一線を添え、金糸に彩られ技巧の限りを尽くされた装飾帯。中国の神話のような姿をした人はまるで夜の化身の様に静かに跪いていた。それだけでも日常とはかけ離れているのに、何よりスザクの時を止めているのはその美しい衣を纏った、それ以上に美しい人。闇よりも尚深く、内から輝きを放つ黒の髪に雪のように白く透き通った肌、そして髪と同じ色の瞳を長い睫毛の奥に伏せて赤く熟れた唇をきゅっと結び、ただ整然と直る人。真正面から射抜かれた時、スザクの時は止まってしまった。

「お許しはいただけませんか?」

永遠に続くかと思われた沈黙を破ったのはその人の声だった。鈴の音色のように甘く優しい声に、硬質な口調が相まって何とも言えない雰囲気を醸し出している。放たれる空気に飲み込まれるように、全てを委ねてしまいたくなる。是と答えそうになるのを押して、スザクはそれまで散漫としていた視線を正した。そして全く面を上げようとしない人を、冷静に見下ろす。けれどそうして惹かれるのは黒の髪の合間から覗く白い項だけ。無理だった。囚われている、と感じた時には全てが遅い。

「…・つまり僕は異世界の神様に王様になる様に選ばれたわけだ?」

「その通りです。」

「そして君は神様の使いの神獣、麒麟。君に跪かれる事を良しとする事で僕は人ではなく神になり、王になる。そして君は僕の…」

生涯の伴侶?と問えばその人は先ほどと同じように応答を繰り返した。感情の見えない返事が今は妙に心地よく感じる。場違いな例えに、まるでそれが使命であると言わんばかりに淡々と受け答えする人。

「面を上げて、ルルーシュ。」

命じるように告げればルルーシュはゆっくりと頭を上げた。右耳で揺れる金の飾りがしゃらりと音をたてる。美しい所作。スザクはその人の瞳に自分の姿が映った事に嫣然と微笑んだ。暗闇が増すに連れ輝きは増し、まるで夜空のようにさえ見える。底の知れない引力をもって自分を捉える瞳をスザクは愛でるように眺めた。

「君は何があっても僕の傍にいてくれる?」

「それが我が使命であり主の望みであれば。」

「スザクと呼んで。」

そういって左手を差し出す。ルルーシュは差し出された左手を戸惑いを持ってみた。やがて緑の瞳を見つめ自分が促されている事を知り、ルルーシュは恐れるようにゆっくりと右手を差し出した。スザクはその様に微笑みを深くし、指の隙間に自らの指を滑り込ませ絡みこませるように引き寄せた。掌に預けられた体温は、想像以上に暖かかった。

「君が手にはいるのなら、許そう。ルルーシュ。」

そして手の甲に口付ける事が僕らの誓い。









欲したのは世界より君