※十二国○パロです。
※スザクが主でルルーシュが従です。
※お約束です。




完璧にペット扱いだ、とルルーシュは憤慨していた。いきなり転変しろ、と言われたから何かと思えば寝台に引き摺り込まれまるで暖房器具のように抱きついて楽しそうに微笑む主。緊急の用事だと言われて来たのではなかっただろうか。常より真剣の眼差しで呼ばれたモノだから遂にこの人も真面目に仕事に取り組むようになってくれたのだな、と喜び勇んでいた数分前の自分をどうしてくれよう。自分の首に嬉しそうにまとわりつく主を蹴り飛ばしてやりたい。あぁでも反面主に撫でて貰って喜んでしまうのは麒麟の本能。相反する気持ちを抱えルルーシュは、人間の姿なら情けないぐらいの表情で溜め息を吐いただろう。

「スザク様。そろそろ執務に戻りたいのですが。」

「執務より僕の方が大事だよね?」

鬣に指を絡めてふかふか〜♪とのたまう主。ルルーシュは他の麒麟に比べれば直毛だからそんなに柔らかいはずはないのだが、と首をかしげる。毛色も黒と珍しいルルーシュは、毛質が他と随分違う。これがユフィあたりならふわふわと言って差し支えないだろう、と遠い地で主にべったりな赤麒麟を想い出す。とにもかくにも鹿と馬を掛け合わせたような生物を寝台の上で愛でる主の神経がよく分からない。そんなに動物が好きならもっと小さくて可愛いものを連れてくるのに、とルルーシュは思った。

「ルル〜。」

あっ、調子にのってきたな、とルルーシュは瞳を細めた。スザクは普段はルルーシュと呼ぶが殊更機嫌が良い時にはルルと呼ぶ。ちなみにその事に対して字を与えられたようで実は嬉しいなんて口が裂けても言えない。それは別問題だ。それよりこう呼ばれた時は大抵自分にとってあまり思わしくない事態が待ち受けていることだけは確かだ。いい加減にしてください、と鋭い声で言えば首を撫でていたスザクが残念そうに手を離した。漸く解放された、と思い立ち上がろうとしたのも束の間、次の瞬間スザクは満面の笑みで微笑んだ。

「ルル。転変して。」

来た。何だその満面の笑みは。そんな純粋そうな笑みをしても騙されないぞ。

「嫌です。」

そんな下心丸出しなお願いが聞けるか。執務が俺を待っているんだよ。っていうか一番待っているのはお前だがな!とスザクに言ってやりたい衝動を辛うじて抑え込む。今はそう言える時ではない。それよりもこの場を切り抜けるのが先だ。床には自分の衣服が散らばっている。それを銜えて窓から逃亡しよう。仮にも神獣なんだから音速で駆け抜ければ万事良し。ルルーシュがふいっとスザクから視線を外すとその首を捕まえてぐいっと顔を動かされた。両手に顔をはまれて、視界一杯に広がるのは口元は笑ってるくせに目が笑ってない主の顔。

「勅令である。」

今度こそスザクを蹴り飛ばしてルルーシュは逃亡した。









青空の彼方に黒い影